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その他の変性性認知症

その他の変性性認知症

最終更新日:2026年8月27日

約18分で読めます

その他の変性性認知症には、記憶の低下が中心となる病気だけでなく、転倒、眼球運動の障害、片手の使いにくさ、性格変化、不随意運動、筋力低下などから始まる病気があります。このページでは、8つの病気・病理概念の違い、診断できる範囲、検査、治療、受診の目安を整理します。

認知症は、脳の病気によって認知機能が低下し、日常生活に支障が生じた状態の総称です。ここで扱う病気の中には、もの忘れより先に歩行、視線、片側の手の動作、発語、行動、自律性が変わるものがあります。本人や家族が「認知症とは思わなかった」と感じやすい理由です。

また、このページには臨床症候群、病理学的疾患、病理所見の名称が混在しています。診察中に観察できる症状へ付ける名前と、脳組織で異常な蛋白質を確認して付ける名前では、診断の確かさが異なります。画像や血液検査を一つ行えば8つを完全に見分けられる、という関係にはなっていません。

診断では、珍しい病名を早く決めることに加え、治療可能な原因を除外し、転倒や誤嚥など目前の危険を減らします。本人の意思決定を支え、必要な医療・介護へつなげることも同じくらい重要です。

最初に知っておきたいこと―同じ「認知症」でも始まり方が違います

その他の変性性認知症を考える手がかりは、記憶の点数だけでなく、最初に変わった機能と症状の組み合わせです。PSPでは早い時期からの転倒や上下方向の眼球運動、CBSでは片側優位のぎこちなさや失行、ハンチントン病では不随意運動や精神・行動変化、ALS-FTDでは筋力低下と前頭葉症状の組み合わせが重要になります。

LATE、AGD、SD-NFT、PARTは、主として脳組織の蛋白質や分布から定義される概念です。生前にはアルツハイマー病などに似た記憶障害として現れ、複数の病理が重なることもあります。臨床像から可能性を考えることはできても、確定には病理学的確認を要する場合があります。

急に始まった、日ごとに悪化する、症状が時間帯で大きく変わる場合は、典型的な神経変性疾患の経過から外れます。せん妄、脳卒中、感染症、自己免疫性脳炎、てんかん、薬剤、代謝異常など、急いで治療すべき原因を先に調べます。

こんなサイン・症状はありませんか

  • 同じ質問や確認が増え、数か月から年単位で少しずつ進んでいる
  • 何もない所で後ろへ倒れる、階段や段差で転ぶことが増えた
  • 下を見にくく、食卓の物や足元を見つけにくい
  • 片方の手だけが硬い、ぎこちない、道具の使い方が分からない
  • 手が自分の意思と別に動くように感じることがある
  • 言葉が出にくい、文法が崩れる、発音を組み立てにくい
  • 以前より無関心、衝動的、頑固になり、対人場面の判断が変わった
  • 顔や手足が落ち着かず、踊るような動きが現れた
  • 筋力が落ち、話しにくさや飲み込みにくさも進んでいる
  • 予定を立てて順番に実行することや、複数のことを切り替えることが難しい
  • 運転、服薬、支払い、調理など以前できた作業に失敗が増えた
  • 家族に不随意運動、若年発症の認知症、ALSなどの人がいる

当てはまる項目の数だけで診断は決まりません。整形外科疾患、視力低下、脳血管障害、うつ病、薬の副作用などでも似た変化が起こります。いつ始まり、どの順番で、どの程度進んだかを診察と検査で確認します。

8つの病気・病理概念は何が違うのか

8つは一つの連続した病気ではなく、原因蛋白質、主に障害される脳部位、遺伝との関係、診断方法が異なります。以下は代表的な特徴です。実際には典型像から外れる例や、アルツハイマー病・レビー小体病・脳血管病変などが重なる例があります。

LATE〈辺縁系優位型加齢性TDP-43脳症〉

LATEは、TDP-43という蛋白質の異常が扁桃体や海馬など記憶に関わる辺縁系に目立つ、主に高齢期の病理学的概念です。記憶障害がゆっくり進み、臨床的にはアルツハイマー病に似ることがあります。高齢者ではLATEとアルツハイマー病理が同時に存在し、認知機能低下へ一緒に影響する場合もあります。

現在の一般診療でLATEだけを確定する検査は確立しておらず、確実な診断は脳組織の病理評価に基づきます。MRIで海馬の萎縮が見えてもLATEに特異的とはいえません。アルツハイマー病のバイオマーカーが陰性なのに記憶障害と内側側頭葉萎縮が進む場合などに可能性を検討しますが、他の原因を十分に除外する必要があります。

進行性核上性麻痺〈PSP〉

PSPは、4リピートタウという蛋白質の異常が関わる進行性の神経変性疾患です。典型例では、発症早期から理由なく転びやすい、上下方向へ素早く視線を移しにくい、体幹が硬い、動作が遅い、話しにくい、飲み込みにくいといった症状が現れます。計画性の低下、考えの切り替えにくさ、無関心、衝動性など前頭葉機能の変化も起こります。

PSPには、歩行のすくみ、パーキンソニズム、発語・言語障害、行動・認知変化などから始まる病型もあります。初期にはパーキンソン病、前頭側頭型認知症、CBSなどとの区別が難しく、経過中に診断が変わることがあります。病理学的な「確実なPSP」と臨床診断上の「ほぼ確実」「疑い」では診断の確度が異なります。

皮質基底核症候群〈CBS〉/大脳皮質基底核変性症〈CBD〉

CBSは、片側優位の筋肉の硬さ・動作の遅さ・ジストニア・ミオクローヌスと、失行(筋力は保たれていても学習した動作をうまく行えない状態)、皮質性感覚障害、他人の手徴候などが組み合わさる臨床症候群です。CBDは、脳内に4リピートタウが特徴的に蓄積する病理学的疾患です。

CBSを起こす病理はCBDだけではなく、アルツハイマー病、PSPなどの場合があります。逆にCBD病理が、行動変化や非流暢性の言語障害、PSPに似た症状として現れることもあります。このため、生前は「CBS」と表現し、背景病理として何が最も考えやすいかを画像、バイオマーカー、経過から推定する場面があります。

嗜銀顆粒性認知症〈AGD〉

AGDは、嗜銀顆粒と呼ばれる4リピートタウ関連の微細な構造が、主に内側側頭葉などへ蓄積する病理学的疾患です。記憶障害、見当識の低下、性格・行動変化などがみられ、アルツハイマー病に似る場合があります。高齢者の剖検で他の病理と一緒に見つかることも多く、症状への寄与を一律には判断できません。

生前にAGDを特異的に証明する確立した検査や広く合意された臨床診断基準はありません。症状と画像だけで断定せず、アルツハイマー病、LATE、血管病変、レビー小体病などを含めて評価します。

神経原線維変化型老年期認知症〈SD-NFT〉とPART〈原発性加齢性タウオパチー〉

SD-NFTは、高齢期に記憶障害が中心となり、病理では海馬などに神経原線維変化が目立つ一方、アミロイドβの老人斑が乏しい状態を指してきた名称です。PARTは、アルツハイマー病型のタウ病理が主に内側側頭葉にあり、アミロイドβ病理がないか少ない状態を整理するため提唱された病理学的概念です。

両者は重なる部分がありますが、完全な同義語として扱うと正確さを欠きます。PARTは認知機能が正常な人にも認められるため、病理所見の存在と認知症を一対一で結び付けられません。独立した疾患か加齢・アルツハイマー病理の連続上にあるのかについて議論が続き、一般診療で単独の臨床診断名として確定する方法も未確立です。

ハンチントン病

ハンチントン病は、HTT遺伝子のCAG反復配列の伸長によって起こる遺伝性神経変性疾患です。手足や顔が踊るように動く舞踏運動だけでなく、注意・計画・判断の低下、無気力、いらだち、抑うつ、強迫的な行動などが運動症状より前に現れることがあります。若い人にも発症し、家族内でも発症年齢や症状は同じとは限りません。

症状、神経診察、家族歴を踏まえ、本人が十分な説明を受けて希望した場合に遺伝学的検査を検討します。未発症者の発症前検査は、結果が本人・血縁者の心理、家族関係、将来設計へ及ぼす影響が大きいため、臨床遺伝の専門家による遺伝カウンセリングを伴う慎重な手順が必要です。

ALSに伴う前頭側頭型認知症〈ALS-FTD〉

ALS-FTDは、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の運動ニューロン障害に、前頭側頭型認知症の行動・実行機能・言語障害が加わった状態です。ALSの認知・行動変化は連続的で、軽い実行機能障害や行動変化から、日常生活へ明らかな支障を及ぼすALS-FTDまで幅があります。

無関心、柔軟性の低下、社会的判断の変化、常同行動、言葉の障害などが手がかりです。ただし、呼吸機能低下、疲労、構音障害、手の運動障害、抑うつは認知検査の成績へ影響します。話す・書く速さだけで認知症と判断せず、運動制約に配慮した評価と家族からの情報を組み合わせます。

加齢による変化や代表的な認知症との違い

加齢でも名前がすぐ出ない、動作が少し遅くなるといった変化は起こります。病気を疑うのは、以前できていた複数の生活行為に支障が広がる、症状が進行する、転倒・眼球運動障害・失行・不随意運動・筋力低下など局所的な神経症状を伴う場合です。

  • 記憶障害が中心:アルツハイマー病、LATE、AGD、SD-NFTなどを考えます。症状だけで背景病理は確定できません。
  • 早期の転倒と垂直方向の視線障害:PSPの手がかりですが、初期はパーキンソン病などに似ます。
  • 片側優位の失行と筋強剛:CBSの手がかりです。背景病理はCBD以外の場合があります。
  • 舞踏運動と行動・認知変化:ハンチントン病を考えます。薬剤性、中毒性、他の遺伝性疾患も鑑別します。
  • 筋力低下と前頭葉症状:ALS-FTDを考えます。運動・呼吸・発語の制約を考慮します。

これらは受診の手がかりです。個々の人では複数の特徴が重なり、典型的な組み合わせにならないことがあります。

診断では症状の組み合わせと時間経過を見ます

診断の基本は、本人と家族から聞く経過、神経学的診察、認知機能と生活機能の評価、必要な検査を組み合わせることです。検査名の数より、発症時点から現在までの症状の順番が診断を大きく左右します。

初診で医師が確認すること

  • 最初の変化は記憶、行動、言語、歩行、手の動作、筋力のどれだったか
  • 突然か徐々にか、階段状か、月単位・年単位のどの速さで進んだか
  • 転倒する方向、視線の動かしにくさ、片側差、不随意運動、筋のやせがあるか
  • 服薬、飲酒、睡眠、抑うつ、感染、頭部外傷、脳血管疾患の影響がないか
  • 服薬管理、金銭管理、調理、外出、仕事、運転にどの程度の支障があるか
  • 血縁者に似た運動症状、認知症、精神症状、ALSがあったか

質問には、急いで治療できる原因、転倒・誤嚥・自傷などの安全上の問題、本人が決められるうちに話し合うべき事項を見つける目的があります。家族歴が不明、家族が小さい、以前の診断名が違う場合もあるため、家族歴がないことだけで遺伝性を除外しません。

検査で分かること・分からないこと

認知機能検査は、記憶、注意、言語、視空間認知、実行機能など、どの領域が低下しているかを調べます。点数は教育歴、聴力・視力、疲労、運動・発語障害、気分の影響を受けるため、単独では病名を確定できません。

血液検査では甲状腺機能、ビタミン欠乏、炎症、肝腎機能など二次性の原因を確認します。MRIでは脳梗塞、腫瘍、水頭症などを除外し、萎縮や信号変化の分布を診断の手がかりにします。SPECTやPETは脳機能や特定病理の可能性を評価する場面がありますが、検査ごとに対象と限界があります。

大井町とうまクリニックでは、症状と生活への影響を確認し、心理検査・認知機能検査と採血を院内で行います。MRIは連携医療機関で実施し、SPECT、DATスキャン、MIBG心筋シンチ、髄液検査、アミロイドPETは、症状や疑われる病型に応じて専門医療機関での検査を検討します。一度の診察や一つの検査で診断が確定しないことがあります。

病理名は生前に確定できないことがあります

PSPやCBDの「確実例」、LATE、AGD、SD-NFT、PARTの確実な判定は、脳組織に蓄積する蛋白質の種類と分布を病理学的に確認することが基本です。これらの鑑別だけを目的とする脳生検は危険を伴うため、日常診療で通常選ぶ検査から外れます。

そのため医師は、臨床診断の確からしさを説明し、治療可能な併存病態を探し、時間経過によって診断を見直します。確定前の段階でも、症候や生活上の危険について分かることがあります。現時点で確かな症候と、推定している背景病理を分けて共有することが、過剰な治療や必要な支援の遅れを防ぎます。

治療は症状、生活上の危険、本人の希望に合わせます

これらの病気に共通して使える、原因を除いて進行を止める標準治療は確立していません。治療の中心は、動作・嚥下・コミュニケーション・認知・行動の症状を個別に評価し、生活機能と安全を支えることです。併存するアルツハイマー病や血管危険因子など、別に治療できる要素があれば対応します。

リハビリテーションと環境調整―生活機能を保つ治療の中心

PSPやCBSでは転倒、関節拘縮、発語・嚥下の問題が生活を左右します。理学療法では歩行補助具や移動方法を、作業療法では着替え・食事・道具操作を、言語聴覚療法では意思伝達と嚥下を評価します。単なる反復練習ではなく、残っている機能で安全に行える方法へ作業と環境を組み替えます。

ALS-FTDでは、筋力低下と認知・行動変化を同時に考えます。長い説明を一度に求めず、選択肢を短く示す、意思伝達手段を早めに検討する、呼吸や嚥下の評価と連動させるといった工夫が必要です。ハンチントン病では、転倒予防、栄養、嚥下、運動、精神・行動症状を多職種で扱います。

薬物療法で期待できることと限界

薬は原因病理を一括して治すためではなく、生活を妨げる個別症状を軽くする目的で選びます。PSPやCBSの動作の遅さ・筋強剛には、パーキンソン病治療薬を試す場合がありますが、効果は限られ一時的なことがあります。ジストニア、痛み、抑うつ、不眠、強い行動・心理症状には、症状に応じた治療を検討します。

ハンチントン病の舞踏運動には運動を抑える薬を用いることがあります。眠気、抑うつ、パーキンソニズム、転倒などとの釣り合いを見ながら調整します。ALS-FTDを含む行動症状では、まず痛み、便秘、感染、睡眠、環境刺激、意思伝達の困難を確認し、必要時に薬を慎重に使います。

LATE、AGD、SD-NFT、PARTそのものを標的とする承認された治療は確立していません。アルツハイマー病の治療薬を使うかは、アルツハイマー病理の併存可能性、症状、検査、安全性を踏まえて個別に判断します。効果が乏しい、眠気やふらつきが増えた場合は、漫然と続けず診断、目的、用量、併用薬を見直します。

遺伝学的検査の前に考えること

ハンチントン病や一部のALS-FTDでは、遺伝学的検査が診断に関わります。検査結果は本人だけでなく血縁者にも意味を持ち、未発症者の将来、家族計画、心理面へ影響します。検査を受けるかどうかを急がせず、何が分かり、何が予測できず、結果を誰と共有するかを遺伝カウンセリングで整理します。

本人に判断能力がある段階で希望を確認することが原則です。症状のない子どもや親族を、本人の同意なく推測で「保因者」と扱うことはできません。

経過と日常生活で備えること

経過の速さと目立つ症状は病気や個人によって大きく異なります。PSP、CBS/CBD、ハンチントン病、ALS-FTDは一般に進行性ですが、機能ごとの進み方には個人差があります。LATE、AGD、SD-NFT、PARTは他の病理の併存によっても経過が変わり、生前の症状から単純な予後を示すことは困難です。

転倒・誤嚥・運転・金銭管理への対応

転倒が始まったら、床の物を減らすだけでなく、方向転換、トイレまでの動線、階段、夜間照明、履物、補助具を具体的に確認します。むせ、体重減少、食事時間の延長、声の濁りは嚥下評価のきっかけになります。食形態の変更は自己判断だけで固定せず、必要に応じて専門評価を受けます。

運転は診断名だけでなく、視線、判断、反応、衝動性、不随意運動、失行を含めて安全性を考えます。事故や道迷いが起きてからでは選択肢が狭くなるため、代替交通も含めて早めに話し合います。支払い・契約・服薬の失敗が増えたら、本人の尊厳を保ちながら二重確認や役割分担を導入します。

家族の関わり方と利用できる可能性のある制度

行動変化を説得だけで直そうとすると対立が増えることがあります。一度に一つの依頼にする、選択肢を絞る、決まった手順にする、疲労や騒音を減らすなど、認知特性に合わせた環境調整が役立ちます。急な変化は病気の進行と決めつけず、感染、脱水、痛み、便秘、薬剤変更を確認します。

状態と要件により、介護保険、指定難病の医療費助成、身体障害者手帳、障害年金、障害福祉サービス、成年後見制度などを利用できる可能性があります。PSP、CBD、ハンチントン病、ALSは指定難病の対象ですが、診断された全員が自動的に医療費助成を受けられるわけではなく、認定基準や重症度などの要件があります。

受診の目安と当院での評価

数か月の間に転倒が増えた、視線や片手の動きが変わった、性格・判断の変化が仕事や家庭へ影響している、舞踏運動や筋力低下を伴う、服薬・金銭・運転が危うくなった場合は、認知機能だけでなく神経症状も含めた評価が必要です。本人が気づいていなくても、家族が具体的な変化を感じている段階で相談できます。

当院では、本人と家族から発症時期と経過、生活への影響、睡眠、気分・行動、身体疾患、服薬を確認し、心理検査・認知機能検査、身体診察、採血を組み合わせます。運動症状、遺伝学的評価、専門画像、髄液検査などが必要な場合は、その必要性を整理して専門医療機関での評価を検討します。お薬手帳、過去の画像・検査結果、症状の動画や経過メモがあると役立ちます。

通常の外来を待たずに受診する状態

突然の片麻痺、ろれつの回りにくさ、意識の変化、けいれん、発熱を伴う混乱、数日から数週で急速に悪化する認知・行動変化では、通常の予約外来を待たずに対応します。脳卒中、感染症、自己免疫性脳炎、てんかん、代謝異常など緊急治療が必要な原因があります。呼吸が苦しい、唾液も飲み込めない、繰り返し転倒して頭を打った、自傷・他害の具体的危険がある場合も、救急要請を含めて速やかに医療機関へ相談してください。

よくある質問

認知機能検査だけで病名は分かりますか?

認知機能検査だけでは病名を確定できません。低下している領域を知る重要な手がかりですが、発症の順番、日常生活、神経診察、画像、血液、必要時の専門検査と合わせて判断します。

もの忘れが軽くても受診した方がよいですか?

転倒、視線の障害、片手の失行、不随意運動、筋力低下、性格変化が進んでいるなら、もの忘れが軽くても評価する意味があります。ここで扱う病気は記憶障害が最初とは限りません。

CBSとCBDは同じ病気ですか?

CBSとCBDは異なる意味で使います。CBSは診察で分かる症状の組み合わせ、CBDは特徴的なタウ病理で定義される疾患です。CBSの背景がアルツハイマー病やPSPであることも、CBDが別の臨床像を示すこともあります。

LATE、AGD、PARTは生前に診断できますか?

一般診療で確実に単独診断する方法は確立していません。症状、MRI、アルツハイマー病バイオマーカーなどから可能性を考えることはありますが、確実な判定は病理学的評価が基本です。

家族に同じ症状がなければ遺伝性を否定できますか?

家族歴がないだけでは遺伝性を完全に除外できません。一方、家族に認知症がいるだけで遺伝性疾患と決まることもありません。発症年齢、症状、家系情報を整理し、検査が診療へ与える意味を検討します。

家族は何を記録して受診すればよいですか?

最初に気づいた変化、その年月、症状が現れた順番、転倒、服薬・金銭・運転の失敗、行動変化を具体例とともに記録してください。不随意運動や歩行の動画は、安全かつ本人の同意を得られる範囲で撮影すると診察の参考になります。

参考文献

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参考文献は医学的内容の確認に用いた資料です。個々の診断・治療は、症状、併存疾患、検査結果、本人の希望により異なります。


この記事は精神科医が監修しています。

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