その他の神経疾患・全身疾患による認知機能障害
最終更新日:2026年8月27日
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物忘れや判断力の低下は、脳腫瘍、てんかん、頭部外傷、低酸素状態、肝臓・腎臓などの全身疾患でも起こります。原因によって緊急性と治療が大きく異なるため、発症の速さ、症状の揺れ、頭痛やけいれん、全身状態を合わせて評価します。このページでは、見逃したくない変化、検査、原因別治療、生活上の対応を解説します。
物忘れに加えて確認したいサイン
記憶力の低下だけで原因を決めることはできません。注意の続きにくさ、言葉の出にくさ、性格や行動の変化、眠気、けいれん、歩きにくさ、頭痛などを合わせて見ると、脳の一部に起きた病変や全身状態の悪化に気づけることがあります。
日常生活に現れやすい変化
- 同じ話を繰り返すだけでなく、会話の途中で注意が途切れ、質問に合わない返事が増えた
- 数日前までできていた服薬管理、支払い、料理の手順が急に分からなくなった
- 時間帯や日によって、はっきり会話できる状態とぼんやりした状態の差が大きい
- 言葉が出にくい、話を理解しにくい、文字を読み間違えるなど、特定の機能が目立って低下した
- 以前と比べて怒りっぽい、無関心、衝動的になるなど、性格や行動が変わった
- 手足の動かしにくさ、しびれ、ふらつき、物が二重に見えるなどの症状を伴う
- 数秒から数分、動作が止まる、呼びかけへの反応が乏しい、同じ動きを繰り返す
- 転倒や交通事故、スポーツで頭を打った後から、集中力や処理速度が落ちた
- 心停止、窒息、重い呼吸不全などの後に、新しいことを覚えにくくなった
- 肝臓病や腎臓病の悪化に伴い、昼夜が逆転する、手が震える、眠気や混乱が強くなった
- 発熱、食事量低下、脱水、嘔吐や下痢の後に、急に受け答えが不確かになった
- 家族内に若年からの認知機能低下、運動障害、けいれんを示した人が複数いる
これらは原因を考える手がかりです。当てはまる項目の数で診断は決まりません。複数の原因が重なる場合もあり、もともとの認知症に感染や脱水によるせん妄が加わることもあります。
外来を待たず救急受診を考える症状
数時間から数日で進む意識や認知の変化は、通常の予約外来を待たず、救急医療機関へ相談してください。
- 突然、言葉が出ない、顔や片側の手足が動かしにくい、激しい頭痛が生じた
- 初めてのけいれん、5分以上続くけいれん、回復しないまま発作を繰り返す
- 呼びかけへの反応が悪い、起こしてもすぐ眠る、急に強い興奮や混乱が出た
- 頭を打った後に、繰り返す嘔吐、悪化する頭痛、ろれつの回りにくさ、手足の麻痺がある
- 発熱、首の硬さ、強い頭痛、けいれん、意識の変化が組み合わさる
- 重い低血糖、呼吸困難、黄疸の悪化、尿量低下などの全身症状を伴う
本人が運転して受診することは避け、救急要請が必要か地域の救急相談窓口へ確認してください。
発症の速さと症状の揺れが原因を考える手がかりです
医師が最初に確認するのは、「何が、いつから、どの速さで変わったか」です。数時間、数日、数週、数か月、数年という時間軸に分けると、優先して調べる原因が変わります。発症前の生活を知る家族の情報が重要です。
急に始まる・一日の中で大きく変わる場合
数時間から数日で注意力や意識が変わり、状態が揺れるときは、せん妄、発作中または発作後の状態、低血糖、電解質異常、低酸素、感染、肝性脳症、腎不全に伴う尿毒症などを急いで評価します。急性発症では、原因を早く補正することが脳と全身の安全につながります。
短い時間だけ反応が止まり、その前後を覚えていない場合は焦点てんかん発作が候補になります。夜間だけ、食事を抜いた日だけ、透析の前後だけといった状況との関係も記録してください。
徐々に進み、特定の機能から低下する場合
数週から数か月で進む頭痛、けいれん、言語障害、片側の運動障害、性格変化は、脳腫瘍など脳の局所病変を確認する理由になります。頭部外傷や低酸素脳症では、出来事を境に注意・記憶・実行機能が低下し、その後は改善と後遺症が混在します。
遺伝性・代謝性疾患では、認知機能の変化に運動障害、精神症状、末梢神経症状、肝障害、聴力・視力の変化などが組み合わさることがあります。家族歴が乏しいこともあるため、年齢だけで除外せず、症状の組み合わせから検討します。
原因となる神経疾患・全身疾患
この分類には、脳そのものの病気と、全身状態の変化が脳の働きへ影響する病気が含まれます。同じ「物忘れ」でも、治療の目的は腫瘍の制御、発作の抑制、酸素不足後の回復支援、代謝異常の補正など、それぞれ異なります。
脳腫瘍
脳腫瘍では、腫瘍が生じた場所、周囲のむくみ、頭蓋内圧、けいれん、治療の影響によって認知機能が変化します。前頭葉の病変では計画性や自発性、行動の抑制が変わり、側頭葉では記憶や言語の問題が目立つことがあります。良性・悪性という区分だけで症状の軽重は決まらず、良性でも場所や大きさによって治療が必要です。
新しい頭痛、吐き気、けいれん、視野の変化、片側の脱力と認知・性格の変化が重なる場合は、頭部MRIやCTを検討します。画像で病変を確認した後も、種類の確定に病理検査が必要な場合があります。治療は脳神経外科、脳神経内科、腫瘍を扱う診療科が連携し、手術、放射線、薬物療法、けいれんや脳浮腫への治療を病型に応じて選びます。
てんかんに伴う認知機能障害
てんかんに伴う認知機能低下には、発作そのもの、発作が起こる脳領域の病変、発作後の回復期、睡眠、気分、抗てんかん発作薬の副作用などが関係します。側頭葉の発作では記憶、前頭葉に関わる発作では注意や実行機能の困りごとが出ることがあります。
けいれんを伴わない焦点発作では、急に反応が乏しくなる、口をもぐもぐさせる、手を目的なく動かす、数分後に元へ戻るといった形をとります。発作が長く続く非けいれん性てんかん重積では、混乱だけが目立つこともあり、脳波を含む緊急評価が必要です。
治療では発作を抑えながら、眠気や処理速度低下など薬の影響を点検します。自己判断による減量や中止は発作を悪化させる危険があるため、発作記録と認知面の変化を主治医へ伝えて調整します。
外傷性脳損傷
外傷性脳損傷は、転倒、交通事故、スポーツ、暴力などで脳に力が加わった状態です。軽い脳振盪でも、直後から頭痛、めまい、光や音への過敏、集中困難、記憶の抜け、疲れやすさ、睡眠や気分の変化が出ることがあります。中等度・重度の損傷では、記憶、注意、判断、感情調整、運動など複数の機能に長期的な影響が残る場合があります。
受傷直後の意識消失がなかったことだけで安全とは判断できません。高齢者、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している人では、時間がたってから頭蓋内出血が明らかになることがあります。症状の悪化時は救急評価を受けてください。
回復期は、疲労や頭痛が強くならない範囲で活動を段階的に戻します。症状が長引くときは、神経学的評価に加えて、睡眠、痛み、気分、薬剤の影響を整理し、必要に応じて認知・作業・言語・身体のリハビリテーションを組み合わせます。
低酸素脳症
低酸素脳症は、心停止、窒息、一酸化炭素中毒、重い呼吸不全などにより、脳へ十分な酸素が届かず生じる損傷です。急性期の救命処置後に、新しい記憶を作る力、注意、処理速度、段取り、運動機能へ影響が残ることがあります。低酸素の程度と持続時間、全身状態、影響を受けた脳領域によって経過は大きく異なります。
急性期治療の後は、意識、運動、言語、嚥下、認知機能を繰り返し評価します。回復は早い時期だけで完結せず、その後も変化することがあります。一方で、元の状態まで戻ると一律に見込むことはできません。具体的な目標を定めたリハビリテーションと、家族への支援が中心になります。
代謝性脳症・肝性脳症・腎不全に伴う認知機能障害
代謝性脳症は、血糖、ナトリウムやカルシウムなどの電解質、酸素、二酸化炭素、体温、臓器機能の異常によって脳全体の働きが乱れた状態の総称です。注意が続かない、眠気、見当識の低下、会話のまとまりにくさ、ふるえ、けいれんなどが急性または亜急性に現れます。原因が複数重なることもあります。
肝性脳症では、重い肝機能障害や門脈体循環シャントを背景に、睡眠覚醒リズムの変化、注意・判断力低下、羽ばたくような手の震え、眠気や意識障害が生じます。感染、消化管出血、便秘、脱水、腎機能悪化、薬剤などが誘因になるため、誘因の検索と治療を同時に行います。血中アンモニア値は参考になりますが、その数値だけで診断や重症度を決めません。
腎不全に伴う認知機能障害には、尿毒症、貧血、電解質や酸塩基平衡の異常、血管性変化、睡眠障害、薬剤の蓄積などが関係します。高度な尿毒症では眠気、混乱、けいれんを含む脳症が生じ、緊急の全身管理や腎代替療法が必要になることがあります。慢性腎臓病では軽い認知機能低下が見過ごされることもあるため、服薬管理や治療選択を本人が理解できているかも確認します。
遺伝性・代謝性疾患など
遺伝性・代謝性疾患の一部は、成人後に認知機能低下、精神症状、運動障害、けいれんとして現れます。ミトコンドリア病、白質ジストロフィー、銅代謝異常、尿素サイクル異常など、原因は多岐にわたります。急な食事制限、感染、出産、特定の薬剤が代謝の破綻を引き起こす病気もあります。
若年発症、同じ家系で似た症状、認知機能以外の神経症状、原因を説明しにくい肝障害や代謝異常が手がかりです。ただし、家族歴がなくても新たな遺伝子変化や劣性遺伝などにより発症します。検査前には、結果が本人と血縁者へ及ぼす影響、分かる範囲、偶然見つかる所見、保因者情報などについて遺伝カウンセリングを含めて検討します。
医師は原因をどのように絞り込むか
診断は、経過、診察、認知機能、血液検査、画像、必要に応じた脳波や髄液検査を組み合わせて進めます。認知機能検査の点数は状態を整理する一部であり、点数だけで原因疾患を確定しません。
初診で確認する経過と背景
- 何が最初に変わったか:記憶、注意、言葉、性格、歩行、けいれんの順序は病変の場所や原因を考える手がかりです。
- いつから、どの速さか:急性の脳症やせん妄と、数年単位で進む変性性認知症では緊急度が異なります。
- 症状が戻る時間があるか:短時間で反復する変化は発作、一日の中の揺れはせん妄や代謝異常も考えます。
- 頭部外傷や低酸素の出来事:事故、転倒、心停止、窒息、重い呼吸不全との時間的な関係を確認します。
- 基礎疾患:がん、てんかん、肝疾患、腎疾患、糖尿病、心肺疾患、感染症の経過を確認します。
- 薬・飲酒・サプリメント:腎機能や肝機能の低下で薬が蓄積する場合や、相互作用による眠気もあります。
- 家族歴と発達歴:若年発症や運動・精神症状を伴う場合は、血縁者の病歴も整理します。
本人の記憶が曖昧な時期を補うため、ご家族や同居者からも経過を伺います。スマートフォンの動画、発作の時刻、前後の様子、服薬状況が役立つことがあります。安全を確保したうえで記録し、発作中に無理に押さえつけたり口へ物を入れたりしないでください。
認知機能検査・採血・画像・脳波で分かること
認知機能検査では、記憶だけでなく注意、処理速度、言語、視空間認知、実行機能を確認し、日常生活での困りごとと照合します。疲労、痛み、睡眠不足、視力・聴力、教育歴や言語背景で結果が変わるため、条件を含めて解釈します。
採血では、血算、血糖、電解質、腎機能、肝機能、甲状腺機能、栄養状態、炎症所見などから候補を選びます。肝性脳症や代謝異常は一つの値だけで決めず、診察所見と経過を合わせます。
頭部MRIやCTは腫瘍、出血、外傷後変化、脳梗塞、白質病変などの確認に用います。脳波は、発作や非けいれん性てんかん重積を疑うときに重要です。ただし、短時間の通常脳波で発作性変化を捉えられない場合もあり、症状に応じて長時間記録を検討します。髄液検査、代謝検査、遺伝学的検査は、疑う病気と検査結果が治療や意思決定へ与える影響を整理して選びます。
変性性認知症、せん妄、うつ状態との見分け方
アルツハイマー型認知症などの変性性認知症は一般に月から年単位で進みます。脳腫瘍でもゆっくり進むことがあり、時間軸だけで分けられません。局所神経症状、新しいけいれん、頭痛、既往歴を含めて画像検査の必要性を判断します。
せん妄は、注意や意識の変化が短期間に始まり、揺れ動く状態です。感染、脱水、低酸素、臓器不全、薬剤などが誘因になります。認知症がある人にも重なります。急に悪化したときは、元の認知症が進んだと決めず、せん妄の原因を優先して調べます。
うつ状態では集中しにくさや記憶への自信低下が目立つことがあります。気分、興味、睡眠、食欲、希死念慮を確認しながら、神経疾患や全身疾患も並行して評価します。うつ状態と身体疾患が同時に存在することもあります。
治療は認知症薬より原因への対応が中心です
治療の中心は、認知機能低下を起こしている原因と悪化要因への対応です。アルツハイマー病に用いる薬の適応は病型によって決まり、脳腫瘍、てんかん、代謝性脳症ではそれぞれの原因治療を優先します。原因、緊急度、本人の生活目標に合わせて治療と支援を組み立てます。
原因疾患の治療と誘因の修正
脳腫瘍では腫瘍の種類と場所に応じて、手術、放射線、薬物療法、脳浮腫や発作への治療を検討します。てんかんでは発作型と原因を評価し、抗てんかん発作薬を選びます。認知面の副作用が疑われるときも、安全を保ちながら主治医が用量や薬剤を見直します。
代謝性脳症では、低血糖や電解質異常、低酸素、感染、薬剤の蓄積などを補正します。肝性脳症では誘因を探し、肝疾患の治療とアンモニア産生・吸収を抑える治療などを行います。腎不全では体液、電解質、薬剤量、貧血、尿毒症を評価し、必要時は腎代替療法を検討します。具体的な治療は重症度と基礎疾患によって変わり、自己判断で食事、薬、透析条件を変更すると危険です。
認知リハビリテーションと生活の再構築
原因を治療した後も認知機能の困りごとが残るときは、損なわれた機能を練習する方法と、保たれた機能や道具で補う方法を組み合わせます。作業療法、言語療法、心理・神経心理学的支援、身体リハビリテーションなどから必要なものを選びます。
目標は検査点数だけでなく、「一人で安全に服薬する」「買い物の手順を戻す」「疲労を管理して仕事へ段階的に復帰する」など、実際の生活行為で設定します。症状が疲労で悪化する人は、活動と休憩を予定に入れ、課題を一度に一つへ絞ります。
経過と日常生活での安全確保
改善の幅と時間は原因・脳損傷の程度で異なります
低血糖、電解質異常、薬剤の蓄積などでは、原因の補正後に比較的早く注意や意識が改善することがあります。一方、脳腫瘍、重い外傷、低酸素脳症では、原因治療後も後遺症が残ることがあります。てんかんでは発作抑制と薬の調整で認知面が改善する場合がありますが、背景の脳病変や長い経過も影響します。
「治療可能」という言葉は、原因へ働きかけられることを示し、認知機能が受傷前・発症前の状態まで戻る保証までは含みません。回復の評価は、急性期の全身状態が落ち着いた後も、数週から数か月の生活変化を見ながら続けます。
家庭でできる記録・環境調整
- 症状の開始時刻、持続時間、発熱、食事、水分、服薬、睡眠との関係を一冊へ記録する
- 薬は一包化、薬箱、家族の確認などを使い、飲み忘れと重複服用を防ぐ
- 予定と手順を短く書き、同時に複数の指示を出さない
- 転倒やけいれんに備え、浴室の施錠、火の使用、高所作業を見直す
- 眼鏡、補聴器、時計、カレンダーを使い、見当識と会話を支える
- 疲労で症状が増える場合は、重要な用事を調子のよい時間帯へ移す
家族がすべてを代行すると、保たれている力を使う機会が減ります。危険度を見極め、「見守ればできること」「一部を手伝うこと」「代行すること」に分けてください。
仕事・運転・金銭管理の考え方
仕事や学業では、業務量、速度、騒音、同時作業、夜勤が症状へ与える影響を整理します。外傷や低酸素後の復帰は、短時間勤務、単純な課題、休憩を増やすなど段階的に進めます。安全へ直結する作業では、本人の自覚だけで判断せず、主治医や職場と具体的な能力を確認します。
意識が途切れる発作、視野障害、判断力低下、強い眠気がある間は運転を控えてください。てんかん発作と運転免許には法令上の基準があります。病状を主治医へ正確に伝え、個別に確認します。金銭管理や契約は、少額から見守りを始め、不審な送金、同じ購入、期限切れが増えた時点で権限や支援方法を検討します。
受診の目安と当院での診かた
受診を検討する具体的な変化
- 本人または家族が、以前と比べた記憶、注意、判断、性格の変化を感じる
- 薬、支払い、料理、仕事など、これまでできた手順に支障が出た
- 症状が数週から数か月で目立って進む
- 短い反応停止、記憶の抜け、原因不明の転倒を繰り返す
- 頭部外傷、心停止、窒息、重い呼吸不全の後から認知面が変わった
- 肝疾患、腎疾患、がん、てんかんなどの治療中に新しい認知症状が出た
- 運転、服薬、火の管理、金銭管理の安全に不安がある
急激な意識変化、初めてのけいれん、片麻痺、突然の言語障害、外傷後の悪化は、上記の予約受診より救急評価を優先します。
当院で確認できることと連携医療機関への紹介
大井町とうまクリニックのもの忘れ・認知症外来では、ご本人とご家族から、発症時期、進み方、日常生活への影響、気分・睡眠・行動、身体疾患、服薬を伺います。身体診察、心理検査・認知機能検査、採血を行い、変性性認知症以外の原因も含めて総合的に考えます。
MRIは連携医療機関で実施します。症状に応じて、脳波、専門的な画像検査、髄液検査、遺伝・代謝の評価、脳神経外科・脳神経内科・肝臓や腎臓を扱う診療科などでの診療が必要な場合は、適切な医療機関への紹介を検討します。緊急性が高い状態は、外来で検査を順番に進めるより救急医療へつなぐことを優先します。
一度の診察で原因が確定しない場合があります。過去の画像、退院時要約、お薬手帳、発作や症状の記録があればお持ちください。
よくある質問
原因を治療すれば認知機能は元に戻りますか?
改善できる可能性はありますが、回復の程度は原因、発症から治療までの経過、脳損傷の範囲、年齢や基礎疾患で異なります。代謝異常を補正すると早く改善する人がいる一方、重い外傷や低酸素脳症では後遺症が残ります。原因治療後も生活場面で評価を続けます。
画像検査だけで原因が分かりますか?
画像検査は脳腫瘍、出血、外傷後変化などを調べる重要な方法ですが、それだけで全原因を判定できません。てんかん、肝性脳症、低血糖、薬剤の影響などは、経過、診察、採血、脳波を組み合わせて判断します。画像の所見が症状と直接関係しない場合もあります。
けいれんがなくても、てんかんが関係することはありますか?
あります。焦点発作では、短時間反応が止まる、言葉が出ない、同じ動作を繰り返す、出来事を覚えていないといった症状だけのことがあります。長引く混乱では非けいれん性てんかん重積も検討します。発作が疑われる動画や時刻の記録は役立ちますが、安全な範囲で行ってください。
肝臓や腎臓の数値と物忘れは関係しますか?
関係する場合があります。肝機能や腎機能の悪化は、代謝物の蓄積、電解質異常、貧血、薬の蓄積などを通じて注意や意識へ影響します。ただし、一つの検査値と認知症状が単純に対応するとは限りません。いつからの変化か、全身症状、服薬、ほかの検査を合わせて評価します。
若い年齢なら遺伝子検査を受けるべきですか?
年齢だけで一律に決めません。発症年齢、症状の組み合わせ、家族歴、画像や代謝検査から、結果が診断・治療・家族の意思決定に役立つかを検討します。検査の前後には、結果が本人と血縁者へ持つ意味を理解できるよう、遺伝カウンセリングを組み合わせることが望まれます。
家族は何を記録して受診すればよいですか?
最初に変わったこと、開始時期、症状が続く時間、元へ戻るか、発熱・食事・睡眠・服薬との関係を記録してください。発作らしい動きは、安全を確保したうえで動画が役立つ場合があります。お薬手帳、過去の画像や検査結果、退院時の資料も診断の手がかりになります。
参考文献
- 日本神経学会監修.認知症疾患診療ガイドライン2026.医学書院,2026.ISBN 978-4-260-06553-5.
- 日本神経学会.認知症疾患診療ガイドライン2017.
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- GeneReviews. Urea Cycle Disorders Overview. Updated 2025.
この記事は精神科医が監修しています。