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Insomnia

不眠症

不眠症

最終更新日:2026年08月26日

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不眠症は、眠る時間と環境を確保しても寝つけない、途中で目が覚める、早く目覚める状態が続き、日中の生活に支障が出る睡眠障害です。睡眠時間が短い状態との違い、睡眠時無呼吸症候群などの見分け方、診断、認知行動療法、睡眠薬、生活の整え方、受診目安を説明します。

眠れない夜と不眠症を分けるポイント

不眠症の中心は、夜の眠りにくさと、それに結びつく日中の支障が続くことです。一晩眠れなかった、繁忙期だけ睡眠時間が減ったという経験は多くの人に起こります。翌日に回復し、生活上の機能が保たれていれば、直ちに病気と判断する材料にはなりません。

眠る時間を取っても寝つけず、疲労、集中困難、気分の不安定さなどが重なる場合は評価が必要です。眠れないことを警戒して早くから布団に入り、努力するほど頭がさえる循環が、きっかけの解決後も不眠を保つことがあります。

診断は睡眠時間だけで決まりません。必要な時間には個人差があり、体内時計のずれ、睡眠時無呼吸、脚の不快感、痛み、こころの病気、薬や嗜好品なども確認します。

不眠症を疑うサイン

次のような状態が繰り返され、日中の生活に影響しているときは、不眠症を含む睡眠の問題を考えます。

  • 布団に入ってから長く眠れず、時計を何度も確認する
  • 夜中に何度も目が覚め、その後なかなか眠り直せない
  • 予定よりかなり早く目覚め、起床時刻まで眠れない
  • 十分横になったつもりでも、眠った実感や休養感が乏しい
  • 夕方は眠いのに、就寝時刻になると頭がさえる
  • 眠れないことが怖くなり、夜が近づくと緊張する
  • 日中に疲れやすく、仕事や授業へ集中しにくい
  • ささいなことでいら立つ、気分が沈む、意欲が落ちる
  • 眠気や注意力低下のため、運転や作業に不安がある
  • 休日に長く寝床にいても、睡眠の調子が整わない

該当する項目の数で診断は決まりません。症状の頻度と期間、眠る機会、日中への影響、ほかの睡眠障害や身体・精神疾患の有無を合わせて判断します。

睡眠時間が短い人と不眠症の違い

短い睡眠時間でも、望む時刻に自然に眠れて目覚め、日中の機能に明らかな支障がない人はいます。これに対し不眠症では、眠りたいのに眠れないという苦痛があり、疲労、集中困難、気分の変化などが生じます。時間の長短よりも、睡眠の機会と本人の困りごとが重要です。

ただし、仕事や動画視聴のために睡眠を削り、短い睡眠に慣れたと感じている場合は注意が要ります。慢性的な睡眠不足では、本人が眠気を自覚しにくくなっても注意力が落ちることがあります。休日だけ長く眠る、目覚ましがないと大幅に寝延びするなら、体質的な短時間睡眠より睡眠不足が考えやすくなります。

「毎日8時間」という一律の目標は適切でない人もいます。長く寝床にいるほど睡眠が細切れになる場合があり、年齢、日中の状態、実際の睡眠時間から、その人に合う睡眠の窓を整えます。

不眠症の症状を四つの型から理解する

不眠の現れ方は、寝つき、睡眠の維持、目覚める時刻、日中の支障に分けると整理しやすくなります。複数の型が同時に起こり、時期によって変わることもあります。

入眠困難―布団に入っても寝つけない

考え事や身体の緊張が続き、寝室以外ではうとうとするのに、布団に入ると目がさえることがあります。体内時計に対して早すぎる就床、カフェイン、夜の強い光、脚のむずむず感も確認します。

中途覚醒―夜中に目が覚めて眠り直せない

短い覚醒は正常な睡眠にもあります。覚醒後に長く眠れず翌日の機能が落ちる場合は、いびきや無呼吸、頻尿、痛み、ほてり、飲酒、薬の作用も調べます。

早朝覚醒―予定より早く目が覚める

希望より早く目覚め、その後眠れない状態です。加齢による睡眠時刻の変化、早すぎる就床、抑うつ状態、体内時計の前進を調べ、日中の状態と合わせて見ます。

日中に現れる支障

疲労、注意・記憶の低下、意欲低下、いら立ち、気分の落ち込み、仕事や学業の能率低下が現れます。疲れても昼寝できない人もいます。耐えがたい居眠りが中心なら、睡眠不足、睡眠時無呼吸、過眠症を優先します。

なぜ不眠が続くのか

不眠症の原因を一つに決めることはできません。もともとの眠りの浅さや心配しやすさ、発症のきっかけ、その後に身についた対処が重なって続くという理解が臨床に役立ちます。

きっかけには仕事や介護、病気、痛み、生活時刻の変化、環境音、喪失体験などがあります。早く寝床に入る、朝遅くまで横になる、長い昼寝をする対処が増えると、夜の眠気が弱まり、時計の確認や失敗予測が緊張を高めます。

研究では、覚醒系、ストレス反応、睡眠と覚醒の学習など複数の仕組みが関連します。特定の神経伝達物質だけで全員を説明できず、遺伝、生活、環境、身体状態が組み合わさります。

不眠症の診断で医師が確認すること

診断は問診を中心に、睡眠の機会、夜間症状、日中の支障、経過、ほかの原因を総合して行います。質問票の点数や一晩の検査だけで確定するものではなく、必要に応じて経過を追います。

慢性不眠症の診断の考え方

ICSD-3-TRなどでは、寝つけない、睡眠を保てない、早く目覚める症状が、適切な睡眠機会と環境があるのに起こり、日中の支障を伴うことが基本です。慢性不眠症は原則として週3回以上、3か月以上を確認します。3か月未満でも短期不眠症として治療対象になり得ます。

疲労、注意力低下、仕事・学業・対人関係への影響、気分の変化、眠りへの強い心配などを確認し、重症度、安全、併存疾患を含めて臨床的に判断します。

初診で質問する内容とその意味

  • 何時に寝床へ入り、何時に眠り、何時に起きるか:寝床にいる時間と実際の睡眠、体内時計のずれを見ます。
  • 平日と休日で時刻がどう変わるか:慢性的な睡眠不足や概日リズムの問題を区別します。
  • いびき、呼吸停止、脚の不快感があるか:睡眠時無呼吸や睡眠関連運動障害を調べます。
  • 痛み、頻尿、動悸、ほてりがあるか:夜間覚醒を起こす身体要因を探します。
  • 気分の落ち込み、不安、活動性の高い時期があるか:うつ病、不安症、双極症などとの関係を確認します。
  • 薬、サプリメント、カフェイン、飲酒、喫煙:覚醒作用、鎮静作用、離脱や相互作用を確認します。
  • 運転や危険作業をするか:治療前の眠気と薬の翌日への影響を含め、安全を優先します。

睡眠日誌と検査で分かること

1〜2週間の睡眠日誌に、就床、推定入眠、夜間覚醒、起床、昼寝、薬や嗜好品を記録します。曜日差や寝床にいる時間と実際の睡眠の関係が見えます。腕時計型活動量計はリズムを推定しますが、脳波検査とは精度が異なります。

典型的な不眠症に終夜睡眠ポリグラフ検査を一律に行う必要はありません。呼吸障害、周期性四肢運動、特徴的な異常行動が疑われるとき、治療しても改善しないときなどに検討します。家庭用機器やスマートウォッチの結果は手がかりになりますが、その数値だけで不眠症や睡眠時無呼吸症候群を診断することはできません。

似た睡眠の問題・病気との違い

不眠の訴えが同じでも、眠る機会の不足、呼吸、体内時計、脚の症状、身体・精神疾患、薬剤で治療が変わります。複数が併存することも珍しくありません。

睡眠不足症候群との違い

睡眠不足症候群では、仕事、通学、育児、娯楽などによって必要な睡眠時間を慢性的に確保できず、日中に眠くなります。機会を増やすと眠れること、休日に長く眠ることが手がかりです。不眠症では、時間を確保しても希望どおりに眠れず、昼間も眠れない人がいます。ただし両者が重なることもあり、まず実際の睡眠時間を記録します。

睡眠時無呼吸症候群との違い

閉塞性睡眠時無呼吸では、睡眠中に上気道が狭くなり、呼吸停止や低呼吸を繰り返します。大きないびき、目撃された無呼吸、息苦しさを伴う覚醒、起床時の頭痛、日中の眠気、高血圧などが手がかりです。中途覚醒だけが前面に出る人もいるため、特にいびきがある場合は確認します。睡眠薬の選択にも影響するため、疑いがあれば呼吸の評価を先に、または並行して行います。

概日リズム睡眠・覚醒障害との違い

体内時計が社会生活の時刻とずれると、望む時刻には寝つけず、起きられなくなります。たとえば睡眠時刻が遅れている人は、早寝を試みると眠れませんが、遅い時刻ならまとまって眠れます。この点が一日を通して眠りにくい不眠症との手がかりになります。治療では、単に就床を早めるより、起床時刻、朝の光、夜の光、食事や活動時刻を適切に調整します。

脚の症状、こころや身体の病気、薬剤の確認

むずむず脚症候群では、夕方から夜、安静時に脚の不快感と動かしたい衝動が出て、動くと一時的に軽くなります。痛み、かゆみ、胃食道逆流、咳、呼吸困難、夜間頻尿、甲状腺機能の異常、更年期の症状なども眠りを妨げます。

うつ病や不安症では不眠が多く、双極症の躁状態では睡眠時間が少なくても疲れず活動的になることがあります。後者は通常の不眠と治療方針が大きく変わります。ステロイド、刺激作用のある薬、一部の気管支拡張薬や抗うつ薬、カフェイン、ニコチン、アルコールの使用・中断も確認します。処方薬は自己判断で止めず、服用時刻や変更方法を医師・薬剤師と相談します。

不眠症の治療―原因評価と認知行動療法が軸

治療では、眠りを妨げる病気や生活要因を見直し、慢性不眠症には不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)を中心に据えます。症状の強さ、緊急性、希望、併存疾患、CBT-Iへのアクセスを考え、必要に応じて睡眠薬を組み合わせます。目標は睡眠時間の数字を伸ばすことだけでなく、睡眠への苦痛を減らし、日中の機能と安全を取り戻すことです。

眠りを妨げる要因を整える

痛みや呼吸障害、脚の不快感、うつ・不安・躁症状、薬剤の影響を治療・調整します。不眠と併存疾患は互いに影響するため両方を評価し、騒音、光、室温など環境面も可能な範囲で変えます。

急なストレスに伴う短期不眠では、きっかけへの対応と睡眠習慣の立て直しで軽くなることがあります。強い日中支障があるときは短期間の薬物療法を検討する場合もあります。慢性化しているときは、原因探しだけを続けるより、不眠を維持する考え方と行動へ働きかける治療が重要です。

認知行動療法―慢性不眠症の中心的治療

CBT-Iは、睡眠についての理解、刺激制御、睡眠スケジュールの調整、考え方の見直し、リラクゼーションなどを組み合わせる治療です。AASMの2021年ガイドラインと欧州の2023年ガイドラインは、成人の慢性不眠症に対する多要素CBT-Iを第一選択として推奨しています。睡眠衛生の助言だけを渡す方法より、個人の記録に基づいて複数の要素を組み合わせる点が特徴です。

  • 刺激制御:眠気があるときに寝床へ入り、長く眠れないときはいったん離れ、寝床と覚醒・心配の結びつきを弱めます。
  • 睡眠スケジュール法:睡眠日誌から寝床にいる時間を調整し、眠りをまとまりやすくします。改善に合わせて時間を広げます。
  • 認知的な働きかけ:「今夜眠れなければ明日は全く何もできない」といった予測を検討し、眠ろうとする過度な努力を減らします。
  • リラクゼーション:呼吸や筋弛緩などを用い、就寝前の身体的な緊張を下げます。

開始直後に眠気が一時的に増えることがあります。運転や危険作業をする人、転倒リスクの高い人、躁状態やけいれん発作の既往がある人などは、安全を考えた個別調整が必要です。強い睡眠制限を自己流で行わず、医療者と相談してください。提供できる施設や方法は地域・医療機関によって異なります。

家庭で行う睡眠習慣の調整

生活調整はCBT-Iの土台です。起床時刻を大きく動かさず、朝に自然光を取り入れ、日中に活動します。昼寝は夜を妨げない時刻と長さにします。カフェインは時刻と量を記録し、寝つきを早めても後半の眠りと無呼吸を悪化させ得る飲酒を見直します。

就寝直前の明るい画面や仕事を避け、自然な眠気を待ちます。入浴や読書など短い手順も切り替えに役立ちます。習慣調整だけで慢性不眠症が改善しないときは、CBT-Iや薬物療法を検討します。

睡眠薬を使う場合・使わない場合

睡眠薬は、症状が強いとき、日中の安全や機能への影響が大きいとき、CBT-Iを受けにくいとき、非薬物療法の効果を待つ間などに検討します。使うかどうかは、症状の型、年齢、呼吸状態、肝腎機能、妊娠・授乳、ほかの薬、飲酒、転倒や運転のリスクを踏まえて決めます。

主な薬剤群は、オレキシン受容体拮抗薬、メラトニン受容体作動薬、GABA受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系)です。寝つき、中途覚醒、作用時間、併存疾患から選びます。鎮静性の抗精神病薬や抗うつ薬は、併存疾患と利益・不利益を検討します。

翌朝の眠気、注意力低下、ふらつき、転倒に加え、薬剤ごとに健忘、依存・離脱、悪夢、睡眠麻痺、寝ぼけた行動、相互作用へ注意します。服用後の運転と飲酒を避け、効果が乏しければ増量前に無呼吸、体内時計、脚の症状、気分、睡眠機会を再評価します。

睡眠薬を減らすときの注意

減量の時期は、眠りと日中の状態が安定し、生活上の大きな変化が少ないときに相談して決めます。長期に使っている薬、とくにGABA受容体作動薬を急に中止すると、反跳性不眠、強い不安、震えなどが出ることがあります。薬の種類、量、期間に合わせて段階的に減らします。

一晩の不眠だけで直ちに元の量へ戻さず、数日から週単位の傾向を見ます。減量中に強い症状が出たときは、自己調整せず処方医へ連絡してください。

改善までの経過と再発への備え

経過はきっかけ、期間、併存疾患、治療で異なります。短期不眠はストレスや環境が落ち着くと改善することがあります。慢性不眠症にはCBT-I、原因治療、必要に応じた薬物療法を行い、症状と日中機能の改善を目指します。

CBT-Iは数週間かけて睡眠を記録し、段階的に調整します。薬は早く作用を感じる場合がありますが、翌日の状態と副作用も評価します。起床時刻、日中の活動、生活機能を含めて回復を判断します。

再発に備え、寝床の時間を延ばさない、起床時刻を保つ、カフェインと飲酒を見直す、数日記録する、躁症状や無呼吸のサインがあれば受診する、といった計画を作ります。

仕事・学校・家族との生活をどう整えるか

働きながら治療できるかは、不眠の重さと仕事内容で変わります。軽度で安全が保てる場合は、残業や夜間連絡を減らし、起床時刻を安定させながら通院します。運転、高所作業、機械操作、夜勤では、睡眠不足と薬の翌日作用が事故につながるため、勤務内容や時間帯の一時的な調整を検討します。

欠勤が増える、判断ミスが著しい、うつ・躁症状が強い場合は、休養や休職も選択肢です。診断名だけで一律に決めず、業務の安全性、通勤、回復に必要な時間、職場の調整可能性を見ます。復職時は、いきなり残業や夜勤へ戻すより、勤務時間と負担を段階的に上げる方が睡眠リズムを守りやすくなります。

学生では、遅刻や授業中の集中低下を意思の問題として扱う前に、睡眠時刻、体内時計、気分、いびきを確認します。家族は「早く寝なさい」と繰り返すより、夜間の騒音や照明を整え、休日も起床時刻が大きくずれないよう協力できます。眠れた時間を毎朝細かく問いただすことは、睡眠への注目を強める場合があります。

受診の目安と当院での診かた

眠りにくさが週に何度も起こり、日中の疲労、集中困難、気分の変化、仕事・学業への支障が続くなら受診を検討してください。3か月という慢性不眠症の期間条件を待つ必要はなく、次の状態では早めの相談が適します。

  • 眠れない状態が数週間続き、生活調整で戻らない
  • 遅刻、欠勤、ミスが増え、運転や作業の安全が心配
  • 大きないびき、呼吸停止、窒息感を伴う覚醒がある
  • 夜に脚を動かさずにいられない不快感がある
  • 気分の落ち込み、強い不安、意欲低下が併存する
  • 睡眠薬や市販薬を増やしたくなる、寝酒が増えている
  • 処方された睡眠薬の翌朝に強い眠気やふらつきがある

通常の外来を待たずに相談する状態

具体的な自殺計画、自傷・他害のおそれ、ほとんど眠らず活動性が異常に高い状態、幻覚・妄想、急な混乱や意識変化があれば、通常予約を待たず、周囲と安全を確保して救急医療や119番へ相談してください。胸痛、強い呼吸困難、片側の麻痺も救急評価が必要です。

当院で確認すること

当院では、不眠の型、始まった時期、就床・起床時刻、日中の支障、仕事や家庭への影響を確認します。いびき・無呼吸、脚の症状、気分や不安、身体疾患、処方薬・市販薬・サプリメント、カフェインや飲酒も伺い、ほかの睡眠障害や精神疾患の可能性を含めて評価します。

必要に応じて睡眠日誌などで経過を確認し、不眠症治療、生活・環境調整、睡眠薬の選択や見直しを相談します。症状により追加検査や睡眠医療機関との連携を検討します。一度の診察で背景を分けにくいこともあり、経過や記録を重ねて診断・治療方針を見直します。

不眠症についてよくある質問

何時間眠れば正常ですか?

全員に共通する正常時間はありません。必要な睡眠時間は年齢、体質、季節、活動量で変わります。時間だけでなく、自然に目覚められるか、日中の眠気や機能低下がないかを見ます。寝床で8時間を達成しようとする努力が、かえって眠れない時間を増やす人もいます。

不眠症は自然に良くなりますか?

短期の不眠は、きっかけが落ち着くと改善することがあります。長引くほど寝床と覚醒の結びつきや睡眠への不安が定着しやすいため、数週間続いて生活へ影響する場合は評価を受けるとよいでしょう。3か月経過するまで受診を控える必要はありません。

睡眠薬を飲まなくても治療できますか?

可能です。慢性不眠症ではCBT-Iが中心的な治療で、薬を使わずに取り組む人もいます。一方、症状が強い場合やCBT-Iへすぐアクセスできない場合などは、利益と不利益を相談して薬を組み合わせます。薬を避けること自体を目標にせず、日中機能と安全を含めて選びます。

睡眠薬は依存になりますか?

依存リスクは薬剤群、量、期間、体質で異なります。ベンゾジアゼピン系などでは耐性、依存、急な中止による離脱・反跳性不眠に注意します。処方どおりに使い、効果、副作用、継続の必要性を定期的に見直します。

寝酒なら薬より安全ですか?

寝酒を不眠治療として勧めることはできません。アルコールは寝つきを早めても、夜の後半の睡眠を分断し、いびき・無呼吸を悪化させることがあります。量が増えやすく、睡眠薬との併用では鎮静や呼吸への危険も高まります。

検査を受ければ原因が分かりますか?

典型的な不眠症は問診と睡眠日誌から診断します。いびき・無呼吸、脚の動き、異常行動が疑われる場合には、目的に合う睡眠検査が役立ちます。スマートウォッチの結果は参考情報です。

眠れないときも横になり続ける方がよいですか?

長く覚醒したまま寝床にいると、寝床と焦りが結びつくことがあります。安全に移動できるなら、眠気が戻るまで暗めで静かな場所に移り、時計や仕事、刺激の強い画面から離れる方法がCBT-Iで使われます。転倒リスクがある人や身体疾患がある人は、個別に安全な方法を相談してください。

参考文献

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  7. 厚生労働科学研究班・日本睡眠学会ワーキンググループ.睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン.2013年、2014年改訂.PDF
  8. 日本睡眠学会教育委員会編.不眠症に対する認知行動療法マニュアル.金剛出版;2020.

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この記事は精神科医が監修しています。

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